令和7年度第3回企画展示

あなたへ本を届けたい ~ふくおかの書店・図書館のおすすめ本~

"ふくおかの書店員や司書が、あなたに読んでほしい一冊を紹介します"

 

展示期間:令和8年1月20日(火曜日)~令和8年2月24日(火曜日)

展示場所:本館1階 エントランスホール

 

あなたの街に本屋さんはありますか?

近年、国内では書店の数が減少し、地域で本と出会う機会が少なくなっています。
書店で本を選ぶときのわくわく感、手に入れた本を夢中で読む喜び、読み終えた本が本棚に並んでいく満足感。
そうした一つひとつの体験は、私たちの楽しみや学びとなり、人生を豊かにしてくれました。

もし、これらの体験が次の世代に受け継がれないとしたら――
私たちは大切な文化の拠り所を失ってしまうのではないでしょうか。
人生をより深く生きる力を育むうえで、読書は欠かせないもの。
誰にとっても、本が身近に寄り添う社会であってほしいと願っています。

図書館と書店とは、立場こそ異なりますが、読書文化を愛し「あなたへ本を届けたい」という同じ想いを持っています。
この展示では、福岡県内の書店と公共図書館が、それぞれの視点から「届けたい本」 を紹介します。
紹介本の中には、図書館に所蔵されていない本もあります。
気になった本や、図書館で読んでみて気に入った本は、ぜひ街の書店で注文してみてください。

書店へ出かけましょう!
ここで紹介した本以外にも、未知の本があなたを待っていますよ。

 

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※福岡の書店マップを掲載しています

   
   
ふくおかの書店のおすすめ本

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       著者等名及びタイトル  本の紹介文  書店名
     1

    『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』

    レオ=レオニ/作,谷川 俊太郎/訳 好学社 1969

     この絵本は子どもはもちろん、大人にも是非読んで欲しい絵本です。一言で言えば「芸術(家)は人の精神生活を豊かにし、元気づける役を持っている」と言えると思います。イソップのお話「アリとキリギリス」の真逆ですね。
     のねずみのフレデリックは、冬ごもりのために仲間があくせく働いているとき、彼だけ働いていないと仲間に言われ、冬のために光、色、ことばを集めてるのさ、と寝ぼけまなこで言うフレデリック。ちょっとうさんくさい。でも、いざ冬になって最初は満ち足りていた食料が減って行き、寒さも増していきます。そんなとき、フレデリックの光、色、ことば、が役に立つのです。自作の詩を仲間に褒められて顔を赤らめるフレデリックが可愛い。そしてもちろん、のねずみたち、野原や光や色のイメージを貼り絵のコラージュで表現しているレオ二の手法がストーリーを一層魅力的にしているのはいうまでもありません。
    オッキドッキ書店
    2

    『Goodnight moon』
    【邦題:おやすみなさいおつきさま】

    by Margaret Wise Brown,pictures by Clement Hurd HarperCollins Publishers 2005

    夜の静けさが表紙からも伝わる絵本。オレンジ、黄色、緑、青、の4色の組み合わせから醸し出される独特のイメージにすっと入りこんでしまいます。お話は小さなネズミ(多分男の子)がベッドに入って、部屋にある全てのものに"Goodnight ~." と声をかけ、最後に"Goodnight stars.", "Goodnight air.", "Goodnight noises everywhere." でお話が終わります。
     単純な流れですが/だから心地良い余韻を残します。そして、ちょっとした仕掛けも楽しめます。まず、ページが交互に白黒とカラーになっている。部屋に飾られている月の上を飛んでいる牛の絵は、マザーグースの”Hey Diddle Diddle"に出てくる”the cow over the moon" を表し、もう一枚の3匹のこぐまの絵は昔話にある「3びきのこぐま」(または、"Three Bears and Goldilock") を表しています。おやすみ前に最適な絵本です。
    オッキドッキ書店
     3

    『うまかたやまんば』

    おざわ としお/再話,赤羽 末吉/画 福音館書店 1988

    「牛方」「馬方」と「山姥」の話ほど様々なバージョンがあるお話も少ないのではないでしょうか。話が多少違っても共通するモチーフが人を惹きつけるのでしょう。この絵本では、簡潔で素朴な語り口にどこかユーモラスな赤羽末吉の絵が相乗作用を起こし、絵本の魅力を高めています。怖いやまんばに追いかけられて、魚も馬もやまんばに食べられてしまう前半は追われる怖さ、後半はそのやまんばに今度は仕返しをするという怖いものをやっつける爽快さの2段構えのストーリーになっています。
     私が特に面白いと思うところは、やまんばが一つ食べては次を欲しがるというだんだんと襲ってくるという怖さ。子どもには是非読んでその「怖さ」と「怖さを克服した爽快さ」を味わって欲しい。
    オッキドッキ書店
     4

    『おかあさんだいすきだよ』

    みやにし たつや/作絵 金の星社 2014

    「子どもを叱ってしまったママ
     つい強い口調になってしまったママ
     子どもの話に耳を傾けられなかったママ
     散らかっている部屋にイライラしたママ
     早くしなさいって急がせてしまったママ
     絵本を読みながら寝落ちしちゃったママ
     夜中に何度もタオルケットをかけたママ
     怒ってばかりでごめんねって言ったママ
     あなたのことが大好きだよって抱きしめたママ」

     今日の私は、こんなママでした。

     だけど子どもは…

     私がどんなにおこりんぼうでも何度でも許してくれて「だいすきだよ」と言ってくれます。

     どんなに些細なことで意見がぶつかったとしても何度でも仲直りをしてくれて「だいすきだよ」と言ってくれます。

     この絵本は、子どもがどんな言葉をかけてもらうと嬉しいのか彼らの目線で描かれた素敵な内容です。

     慌ただしい子育ての合間にこそ読んでほしい一冊です。

    麒麟書店
     5

    『ジロッ』

    おおなり 修司/文,たけがみ たえ/絵 絵本館 2022

     子どもは「省略や飛躍」=「シンプル」が
     たっぷりの絵本を読んでもらうと
     必然的に想像する側にまわります。

     「絵を見る」だけでなく
     「絵を読む」からです。

     そこで湧き起こる子どもの「想像力」は
     大人が感じている以上に凄いのです。

     まさにこの絵本は…

     文字が少なく
     絵をたっぷりと味わえ
     自然に想像力がうまれる絵本。

     さぁ、
     もっと気楽に絵本を楽しもう!

    麒麟書店
     6

    『おだんごバス』

    ばば まほ/さく・え ひかりのくに 2025

     草花が咲きほこる麗らかな日に
     小さな生きものたちを乗せて
     プップーと走り出すのは、

     三色団子の〝おだんごバス〟

     「よもぎもちバスてい」や「いちごだいふくバスてい」を過ぎて
     「みたらしだんご」のトンネルを通るとどうなるでしょう?

     2025年に絵本作家としてデビューした
     大牟田出身のイラストレーター〝ばばまほさん〟。

     デビュー作「おだんごバス」には、
     〝ばばまほさん〟の地元大牟田を始め
     福岡・九州の銘菓があちらこちらに隠れています。

     また、
     バスに乗っている生きものたちの
     それぞれの物語にもご注目ください!!

     見つけっこをしながら
     何度もたっぷりとお楽しみいただけます。

    麒麟書店
     7

    『無人島のふたり』

    120日以上生きなくちゃ日記 山本 文緒/著 新潮社 2022

     2021年4月、すい臓がんを患い余命4カ月と宣告され、58歳という若さで亡くなられた山本文緒さん。
     治療法はなく、抗がん剤をやめて緩和ケアを選び、コロナ禍での夫との生活を日記として書き記し始めた著者の人生最後の作品です。
     がんの苦しみ、夫への感謝など、作家さんらしい言葉で紡いであり、読んでいて胸が苦しくなると同時に【書きたい】という気持ちが最期まで強かった方だったのだなと感じました。読んでいたらなぜこのタイトルにされたのかも紐解けると思います。読了後は【ファースト・プライオリティー】など、山本さんの他の作品も読んでみてください。
    cuwano.Books Cafe Space
     8

    『コーヒーと楽しむ心がほんのり明るくなる50の物語』

    西沢 泰生/著 PHP研究所 2021

     こちらの本は、1話の長さが4ページ程でちょっとした休憩時間にすぐに読める作品です。
     物語は全て実話になっていて、クスッと笑える【高田純次さんのアドリブギャグ集】や、【なぜトランプのジョーカーが強いのか】【可愛がられ上手】といった深くて考えさせられる話なども収録されていて、読んだ後は明るく、そして元気になれます。
     作品名の通り、コーヒーと共に素敵な読書タイムをお過ごしください♪
    cuwano.Books Cafe Space
     9

    『スタッフロール Staffroll』

    深緑 野分/著 文藝春秋 2022

     第167回直木賞候補作。映画の特殊効果に魅せられた2人のクリエイターが、一本の映画を通じて繋がり合う物語です。
     才能ある者がどれだけ良いものを作っても立場や性別などの理由で、正当な評価を受けられず心が折れていく映画製作業界で、2人の主人公が周囲の人々や環境、そして自分と戦いながら作品と向き合っていきます。
     いつも私たちを楽しませてくれる映画ですが、映画の本当の主役は、スクリーンに映る俳優陣ではなく、最後に流れる【スタッフロール】に書かれている制作に携わったクリエイター達ではないかと思えた作品です。
     海外が舞台ですので、スターウォーズやマーベルなどの洋画好きはもちろん、才能や周りの評価で苦しんでいる方や、制作活動を行っている方々におすすめです。
    cuwano.Books Cafe Space
     10

    『草木鳥鳥文様』

    梨木 香歩/文,ユカワ アツコ/絵,長島 有里枝/写真 福音館書店 2021

     まるで鳥の声が聴こえてきそうなこの本。梨木香歩さんが随筆を書き、ユカワアツコさんが鳥の絵を描き、長島有里枝さんが写真を撮った贅沢な一冊です。
     家のそばで見かけたコゲラ、旅先でみつけたオオルリ、野鳥たちへの梨木さんの優しい眼差しや鳥愛溢れる独特な言い回しに読んでいて思わず笑みがこぼれます。
     ユカワアツコさんの絵がまた素晴らしい。古いタンスの引き出しに描かれた鳥が静かに佇む姿はまるで生きているかのようです。どんな場所にもスッと馴染むのはユカワさんの絵だからなのか、長島さんのカメラの腕なのか。
     鳥のいる風景と数々のエピソード。鳥好きとしてぜひたくさんの方に手にとってもらいたい一冊です。
    コトリノ・古書店
     11

    『負け戦でござる。』

    北九州豊前国敗者列伝 小野 剛史/著 花乱社 2022

     門司から宇佐までは旧豊前国だった。豊前で生まれた者、死んだ者、豊前を通過し何かしらかかわりのあった者。十二人の十二の物語を紹介したこの本。教科書に出てくるような有名人はいないが、十二人はそれぞれ豊前の地で希望や志をもって生き抜いた。
     が、失敗したり、負けたり、殺されたり。
     今の社会でいうイジメにあって自害したり、友人と思っていた同僚が出世したら裏切られて地方へ飛ばされたり。
     「十二人のスーパースターの大活躍」でないところがこの本の面白さ。
     頑張っても頑張っても大きな花が必ず咲くわけではない。それでも前を向いて行こう。みんなそうだったんだ…。
     小さな勇気をもらえる本。
    作本書店
     12

    『あの夏のクライフ同盟 THE JOHAN CRUIJFF CLUB IN THAT SUMMER』

    増山 実/著 幻冬舎 2024

     約50年前の福岡県苅田町に住むサッカー好きな中学生4人組のハラハラドキドキの自転車旅。
     憧れの大スター、サッカーオランダ代表ヨハン・クライフ。楽しみにしていた日本初、1974年サッカーワールドカップの中継が九州では放送されないとわかり落ち込む4人。
     それならば放送される広島まで自転車で行こう!

     スマホもインターネットも何もない時代。
     それでも4人は、テレビ、ラジオ、雑誌の情報、知恵や悪知恵
    うわさ話もかきあつめて一途に広島へ向かう。親にも嘘をついて。

     さて4人はサッカー中継をみることができたのでしょうか。

    作本書店
     13

    『<猫>の社会学 猫から見る日本の近世~現代』

    遠藤 薫/著 勁草書房 2023

     猫という存在は、なぜこれほどまでに人びとの関心をひくのだろう? 招き猫、化け猫、猫島、猫聖地…近世から現代に至るまで、〈猫〉は人間社会の外部からその営みを相対化する媒介でした。本書は江戸期から現代までの〈猫イメージ〉を紐解きつつ、日本社会の変動と猫たちの歴史との交差を読み解いています。
     様々なフィールドにおける猫の資料や図版を揃えて執筆されており、日本の猫にまつわる歴史・文化・伝承はこの1冊で著されているのではないかと思います。
    書肆 吾輩堂(しょし わがはいどう)
     14

    『ここにいるよ Je suis là』

    シズカ/作・絵 月とコンパス 2023

     この世を去った愛猫が、悲しみにくれるボクに寄り添い語りかける――「ここにいるよ」。
     愛しい姿、声、しぐさ、ぬくもり、匂い、よみがえる幸せな日の記憶。大切な存在を失った悲しみを抱きしめ、涙を越えた愛と絆に気づかせてくれる感動の絵本。
     目には見えないけど、常にひとに寄り添う猫の気配を薄紙で表現するという素敵な仕掛けが施されています。切なくて、でも猫と一緒にいた時間と空気に満たされるような幸せを感じる内容です。
    書肆 吾輩堂(しょし わがはいどう)
     15

    『小八 出口かずみ画集 Kohachi』

    出口 かずみ/著 ON READING,果林社(発売) 2023

     作家の愛猫「小八」が作家の脳内で七変化を繰り広げる画集。タイトルを見て「なるほど」と納得したり、爆笑したり。猫好きなら愛猫がこんなふうになったら…と想像したことがあるのではないでしょうか。小八への作者の痛いくらいの愛情をひしひしと感じる一冊です。 書肆 吾輩堂(しょし わがはいどう)
     16

    『複業ZINE』

    gasi editorial/編 gasi editorial,タバブックス(発売) 2025

     『副業』ではなく『復業』。とにかく、今の「働く」を見事に映し出している本だと思います。
     出版社解説にあるように、終身雇用は崩壊、非正規職が増大し、年金は当てにならず、いまや「死ぬまで働く」が当たり前。
     先行き不安な社会情勢が続く中、本業のかたわらにする副業ではなく、いろんな仕事を並行して行う「復業」を選ぶ人が増えている。15人の復業から浮かび上がってくる、仕事の現在、社会の姿。
     実際、私も本屋だけではなく、雑貨も売り、cafeも併設して朝からモーニングを提供しています。
     まさに『復業』。それはそれで、楽しい。
    taramu books & café
     17

    『私が私らしく死ぬために 自分のお葬式ハンドブック』

    口 理恵/編・著・写真・装幀 rn press 2024

     まさしく、いつか迎えるであろう現実に起こることの1つ。
     最新の遺体処理から安楽死まで、世界の事例から日本の現状など、知らないよりは今のうちに知っておきたいことがずらり。
     死ぬ直前のことから、死んだあとすぐのこと、私らしく死んでいった人たち、明日も前向きに生きるためにと章は続く。
     文豪たちの書く「死」で想像を増し、忘れられるは怖いですかとたたみかける。
     今日を楽しく、生きるために知っていて損はなし。あなたの大事な ペットの葬儀のことも記載されています。
    taramu books & café
     18

    『おだんごバス』

    ばば まほ/さく・え ひかりのくに 2025

     地元大牟田出身で在住の馬場さん、念願の絵本作家デビュー作品。
     タイトルの通り、おだんごがまず登場し、いろんなお菓子がそこかしこに散りばめられたページをめくってお話しは進む。
     ちょっと驚くシーンもあるけれど、可愛い絵に癒される。
     が、1番気になったのはやはり、散りばめられたいろんなお菓子。それを、皆で当てっこしながら読み進めてほしい。
     表紙に登場するあのお饅頭こそ、大牟田人なら当てなくちゃ。
     54歳での絵本作家デビュー。好きなこと諦めないって素晴らしいです。
    taramu books & café
     19

    『点と線』

    松本 清張/著 新潮社 2003

     香椎も舞台となっている松本清張の代表作。香椎は遺体の発見場所なのですが、今は見ることができない香椎の景観が美しい文章で描かれています。 テントセンブックス
     20

    『田沼時代』

    辻 善之助/著 岩波書店 1980

     “時勢の移り変わりというものが、そんなに、明らかに掌を反すように、一、二政治家の施設方策でかわるものであるかどうか、という疑問”を持った著書が田沼意次の腐敗時代というレッテルをはがし、この時期に民権が発達し因習が否定され開国思想が培われたと指摘していく。歴史をいろいろな視点から見ていく面白さと重要性に気づかされる一冊です。 テントセンブックス
     21

    『たった一人のオリンピック』

    山際 淳司/[著] KADOKAWA 2020

     ある日突然オリンピックに出ようと思いついてしまった大学生のノンフィクション作品。「なんとなく沈んだ気分が変わるんじゃないか。ダメになっていく自分を救えるんじゃないか」と自分の時間を一度、せきとめ、遠大なビジョンに向かって非日常的な時間を生きる姿を追体験できる快作です。 テントセンブックス
     22

    『ともだちは海のにおい』

    工藤 直子/作,長 新太/絵 理論社 2004

     お茶がすきないるかと、ビールがすきなくじらの友情を、詩と掌編で綴るオムニバス。
     詩人・工藤直子さんの無駄のない真っ直ぐな文章に、ナンセンス絵本の神様・長新太さんのシンプルな線画が寄り添う、読み聞かせにも、ひとりで読む大人にも子どもにもおすすめの一冊です。

     傍にいるひとを大切にすること。
     じっくりと自分の頭で考えること。
     当たり前に思える日々の尊さや、生きるということのきらめきが、いるかとくじらの日常をとおして、ひたひたと心に打ち寄せてきます。
     気持ちが凪ぐようなやさしさに満ちた、手元に置いて何度でも読み返したい物語です。

    ナツメ書店
     23

    『歩きながらはじまること』

    西尾勝彦詩集 西尾 勝彦/著 七月堂 2018

    奈良の里山で暮らす詩人・西尾勝彦さんの過去の5つの詩集をまとめた一冊。
    『朝のはじまり』、『フタを開ける』、『言の森』、『耳の人』に加え、私家版『耳の人のつづき』を収録しています。

    余白を含んだ何気ない文字の連なりから、詩人が目にした風のそよぎや光のきらめきが浮かんでくるようです。
    焼きたてのパンをイメージした装丁もやさしげです。
    詩の中に出てくる架空のパン屋さん「カンパネルラ ベーカリー」のショップカードを模したしおりが入っています。

    ナツメ書店
     24

    『文鳥・夢十夜・永日小品』

    夏目 漱石/[著] KADOKAWA 1970

     「こんな夢を見た。」ではじまる、夢の中の不思議なできごとを幻想的に描く「夢十夜」。
     教え子の小説家・鈴木三重吉に鳥を飼うことを勧められ、文鳥を迎えて過ごす日々と心情の移ろいを細やかに描いた「文鳥」。
     留学中のロンドンから、正岡子規に宛てて書かれたという「倫敦消息」ほか「京に着ける夕」「永日小品」「自転車日記」を収録しています。

     夢と現実の境界がどこまでも曖昧になった作品世界。
     エゴイズムとの葛藤や、人間存在の不安など、言葉にならない事柄が言葉となってあらわれた、日本語の圧倒的な奥行きや美しさを感じる作品群です。
     カバーには手拭いブランド「かまわぬ」の図案が採用されています。

    ナツメ書店
     25

    『きょうはマラカスのひ』

    樋勝 朋巳/文・絵 福音館書店 2013

     登場人物はクネクネさん、パーマさん、フワフワさん。3人のやりとりがほほえましく、それぞれの個性がかわいらしくていつのまにか物語の世界に引き込まれていく感じです。
     友達や大切な人のために練習を頑張ったり、朝からわくわくしながら準備に一所懸命な場面が好きです。
     マラカスのチューニングをするシーンや、マラカスの発表をすごく頑張ったのに失敗してしまい、涙が止まらないシーンなどもとても印象的です。
     失敗は誰にでもあることで共感もできるし、そのあと仲間がなぐさめてくれる場面も心温かくなります。
     子どもから大人まで幅広く楽しむことのできる絵本だと思います。
    ニワノホンヤ
    26

    『たこたこじいさん おどればみんなニッコニコ!』

     やおい ひでひと/作 ポプラ社 2025

     たこたこじいさん たこじいさん♪と自然に節がついて、体が勝手に踊りだす楽しい絵本です。
     まずタイトルが面白そう。ページを開くとたこじいさんが踊ってる!
     大人数の読み聞かせにもぴったりですし、親子で一緒に体を動かすのもおススメです。
     たこじいさんのダンスに赤ちゃんも大喜びになること間違いなしです!
    ニワノホンヤ
     27

    『どたばたへなちょこ探偵団 ねらわれた宝石ピッグアイ』

    藤本 ともひこ/作 文研出版 2022

     シリーズの第4巻として出版された絵童話(全2話)です。
    2話目の「トイレでマンガはよまないで」は童話界初の試み!定点観測童話になっています。
     客席から舞台を見ているかのように同じ部屋のシーンが20場面以上続きます。
     なんでも藤本さんがアガサ・クリスティの戯曲「ねずみとり」からアイデアを得たとか。
     間違い探しの感覚で推理を楽しめるので、本を読むのが楽しみになるはずです!
     ぜひ手に取ってみてください。
    ニワノホンヤ
     28

    『あくたれラルフ』

    "ジャック・ガントス/さく,ニコール・ルーベル/え,いしい ももこ
    /やく" 福音館書店 1982

    あくたれと、いたずらとでは、レベルが違います!
    「あくたれラルフ」

     表紙絵の通り、鬼のような面がまえをした猫のラルフは、単なるわんぱくではありません。やることなすこと、悪いことの度を越した「あくたれ」です。

     そんなラルフでも、家族にサーカスへ連れて行ってもらえたのに、そこでも大暴れ! 怒った家族にその場に置き去りにされてしまいます…。

     子どもにとっていたずらは遊びの延長で学びかもしれませんが、親には「なんでこんなことを!」と理解できないことも多々ありますよね。

     きっと子どもたちは、ラルフの大胆な行動に共感し、さらに後半の、反省してしおしおとなったラルフの姿にも深く共感するでしょう。あるいは、人ごとのように笑うかもしれません。

     飼い主のセイラがラルフを見つけたときの、
     「まあ ラルフ、あたし今でもあんたがだいすきなのよ」というこの言葉。
     お母さんを困らせてばかりいるすべての子どもたちが、心から聞きたがっている「無条件の愛の言葉」です。

     絵はとっても派手で、隅々までごちゃごちゃと描きこまれていて、最初は驚くかもしれません。しかし、物語のドタバタ劇と、ラルフの強烈なキャラクターにぴったりの絵だと感じられるはずです。

     5才くらいからおすすめの絵本です。

    羊の本屋
     29

    『ふわふわくんとアルフレッド』

    ドロシー・マリノ/文・絵,石井 桃子/訳 岩波書店 1977

    お気に入りがお気に入りでなくなったら…
    「ふわふわくんとアルフレッド」

     新しい物に夢中になりやすい子どもたち。わが子のそんな姿を見て、「もう少し物を大事にしてくれたらな」と思うことはありませんか?

     くまのぬいぐるみ「ふわふわくん」は、アルフレッドが小さい頃からいつも一緒の大親友でした。

     しかし、新しいとらのおもちゃが来てからというもの、ふわふわくんは雑に扱われるようになります。

     「どうして ぼくも なかまにいれてくれないの?」と言って、ふわふわくんは、ある行動に出ます。

     これは、単なる「おもちゃの話」ではありません。「自分も友だちにこんな扱いを受けたら嫌だな」と、気持ちに気づかされます。

     友だちとの関係を意識し始める5才ぐらいからおすすめの一冊です。

    羊の本屋
     30

    『目で見ることばで話をさせて』

    アン・クレア・レゾット/作,横山 和江/訳 岩波書店 2022

    手話があれば、聞こえる人と、聞こえない人の垣根は無くなる
    「目で見ることばで話をさせて」

    時は1805年。主人公のメアリーは生まれつき耳が聞こえません。父親も同じく聞こえませんが、彼女が暮らすマーサズ・ヴィニヤード島では、住民の4人に1人が耳が聞こえないため、ほとんどの住人が手話を使います。そのため、メアリーは日常生活に不自由を感じたことがありませんでした。

    そんなある日、島に聞こえる「科学者」がやってきます。

    彼は、手話に興味を示さず、聞こえない人たちに対する偏見をあらわにします。科学者のこの態度に、メアリーは激しいいら立ちを感じます。

    この物語は、過去の物語として片付けられない、今なお根強く残る「偏見」について深く考えさせます。

    床から伝わる振動で人の動きを感じることや、手話をしていない(見えない)と何を言っているか分からず不安になるというメアリーの心情が、非常に細かく描かれている点にも注目です。

    多様性を認め合う社会について考えるきっかけとなる一冊。

    中学生からおすすめの児童書です。

    羊の本屋
     31

    『もりのかくれんぼう』

    末吉 暁子/作,林 明子/絵 偕成社 1979

     47年も前の作品です。
     山を削り、田畑をうずめ、森を切り払い、宅地、団地が造成されました。
     そんな団地の側の公園で遊んだ後での帰り道、お兄ちゃんに遅れて近道をしようとしてケイコが入り込んだ見たこともない森の中。

     ちかみち ほそみち もりのみち こわいかな こわくない だあれもいない もりのみち こわいかな こわくない 

     と、自分を励ますように歌いながら森を抜けようとしたその時の思いがけないかくれんぼ遊び。巧み なかくし絵の中に「森のかくれんぼう」を始め絵の中に見出す動物たち。絵さがしの楽しさもさることながらファンタジーの傑作絵本です。
     集合住宅の立ち並ぶケイコの住む地域がかつては森であったであろうことを小さい読者は十分に理解できます。

    ひまわりこども書店
     32

    『きつねのホイティ』

    シビル・ウェッタシンハ/さく,まつおか きょうこ/やく 福音館書店 1994

     絵本を買いにお孫さん連れのお客様が「おばあちゃんのおうちの本は悲しいお話ばかりって孫が言うので、本人を連れてきました」と言いますのでお孫さんに「どんな本が悲しかった?」と尋ねると「『モチモチの木』とか『花さき山』とか、、、。」と言うのです。
     小学校1年生にとってはおばあちゃん好みの切り絵の美しい民話風の絵本は悲しいと受け止めるのかと思い知らされました。そこで私のおすすめ「きつねのホイティ」を詠んであげましたところ、声を上げて笑うのでした。
     スリランカの作品で、キツネが人間の格好をして人を騙すおはなしですが変身の方法が日本と違って化け方は簡単。人間の衣装をまとうだけ。お話はスリランカの小さな村に住む3人の元気のいいおかみさんの所に食いしん坊の狐がやって来て、外に干してある洗濯物に身を包み旅人の振りをしてそれぞれの家でごちそうにあずかるのです。
     相手が狐だと知りながら御馳走でもてなす3人のおかみさん。狐はと言うと、騙された3人をバカ呼ばわりをし、それを知った彼女たち。その仕返しはと言えば何とかつて身にまとった自分の花嫁衣裳を狐に着せて存分にからかうのです。
     美しく描かれたスリランカの昔の(?)生活風景と松岡享子さんの翻訳の素晴らしさに日本語のありようを考えさせられもするのでした。
    ひまわりこども書店
     33

    『父は空 母は大地 インディアンからの伝言』

    寮 美千子/編・訳,篠崎 正喜/画 ロクリン社 2016

     1995年にこの本は出版され、同様の出版物もその頃は何種かありました。
     当時北九州地域の高校の図書委員の生徒さんの集まりに、講師として招かれた私は大勢の高校生を前にこの本の朗読(読み聞かせ?)をしたのです。
     30年近くも前のことです。今と違って絵本はまだまだ発展途上にあり、高校生に絵本の紹介と言うのも少々ためらいがありましたが何しろ相手は図書委員さん達。熱心に聞いてくださり、中には涙を拭う人もありました。
     以後私の店ではこの本は欠かさず常備しておりましたが、いつの頃でしたか出版元の都合で長い間入手不能でしたが今再び手に取ることが出来ました。
     これはヨーロッパから人々が新大陸アメリカに渡り先住民の暮らす大地を「開拓」し各国の植民地とし、先住民に対して絶滅作戦を行いました。激しい戦いの末、これ以上犠牲者を出さないため先住民の首長シアトルはやむなくアメリカ合衆国の申し出に合意しました。その時、シアトル首長からアメリカ大統領への伝言がこの「父は空母は大地」なのです。
    ひまわりこども書店
     34

    『星の王子さま Le Petit Prince』

    サン=テグジュペリ/原作,スティーブン・チョイ/絵
    ・著,八重樫 慶/訳" オーイズミ・アミュージオ,主婦と生活社(発売) 2024

     有名な星の王子さまの絵本
     大人の贅沢な時間におすすめです
     ゆっくりと…こころにやすらぎを持たせてお読みください
     好きな飲み物と好きなおつまみ(甘味)と一緒にお楽しみください
    文久ブックストア 高宮駅前店
     35

    『覚悟の磨き方 超訳吉田松陰,時代のすべての異端児たちへ』

    池田 貴将/編訳 サンクチュアリ出版 2013

     新たなグローバリズムの波が日本を襲うなか
     みんなのこころに真を秘めてほしくその一助となる本として
     15歳の誕生日や成人式、社会人として岐路に立つお子さんやお孫さんに贈ってもらいたい一冊
     きっとこの本は力強い翼となって羽ばたく力を与えてくれると信じている。
    文久ブックストア 高宮駅前店
     36

    『モモ 絵本版 』

    ミヒャエル・エンデ/文,シモーナ・チェッカレッリ/絵,松永 美穂/
    訳" 光文社 2024

     名作モモの絵本です。が!
     お話しのメインである時間泥棒たちとの戦い~ではなく、その前にあった平和だった野外劇場でのモモとモモにお話を聞いてもらいたい人たちとの交流にスポットを当てた秀作
     大人が読んで豊かになったココロで子供に読み聞かせてあげて下さい。

    ※思春期の子供にもぜひ読み聞かせてあげて欲しい

    文久ブックストア 高宮駅前店
     37

    『そして誰もゆとらなくなった』

    朝井 リョウ/著 文藝春秋 2022

     「桐島、部活やめるってよ」「何者」「正欲」など数々のヒット作品を生み出した作家、朝井リョウさん。社会問題的なテーマを扱うことの多い堅めの作家さんだと思っていたので、エッセイを読み始めた時は文章のゆるさに驚きました。
     筆者は「金銭や実利が絡まない場で本気になることが好き」らしく、どう見てもやりすぎな余興を計画し実行したり、ディズニーランドのステージに(踊りで)立ったり、サバイバルオーディションに熱狂するうちにアイドルが経験している物事に興味を持ちPRODUCE101の課題曲をレッスンしてくれるダンスレッスンに己の身一つで飛び込んでみたり...
     まさにそれは、見る人が見れば、無駄。しかしとても楽しそう。コスパやタイパという言葉から対極にある朝井リョウさんの暮らし方のスタンスに感心してばかりでした。
    文喫 福岡天神
     38

    『饗宴』

    プラトン/著,中澤 務/訳 光文社 2013

     「それではパイドロス、幸運を祈るよ。まずきみから、エロスの賛美をはじめてほしい」

     ソクラテス、アリストテレス、そしてプラトン。名前は聞いたことがある…でも、読んだことがある人はそう多くないでしょう。哲学書は難しそうだし、面白くなさそう。そんな印象をひっくり返す、小説のような一冊です。

     物語の舞台は古代ギリシャ。悲劇詩人のアガトンが宴を催します。参加者は哲学者ソクラテス、政治家アルキビアデスなどの賢人たち。前日の宴で疲れ切っていた皆は、酒を飲む代わりに「1人ずつエロス神を賛美する」話を披露していきます。
     エロス神は、ギリシャ神話の愛の神です。よって神への賛美から始まった宴は、愛の恩恵や、人間の恋愛についてまで広がります。特に面白いのが、喜劇詩人アリストファネスの話。異性を求める心や、同性に惹かれる理由について物語ります。

     物語を楽しむうち、いつのまにかプラトンの思想に触れる。1番やさしい哲学書です。

    文喫 福岡天神
     39

    『古いぬいぐるみのはなし』

    田村 ふみ湖/著  産業編集センター 2022

     新しい生活が始まるときや、年越しの準備をするとき。片付けは、いつも私たちのそばにあります。そんなとき、ふと迷うことはありませんか?「このぬいぐるみ、どうしようかな」感謝を込めて「さようなら」「またね」を選ぶ人。特別な思い出を辿りながら、「もう少し一緒にいたい」と思う人。どちらも、きっと優しい選択だと思います。
     そんな、ぬいぐるみと大切な時間を過ごしたことのある、優しいあなたに届けたい一冊が、「古いぬいぐるみのはなし」です。
     この本には、ぬいぐるみと人とのさまざまなエピソードが綴られています。出身地も持ち主も違うのに、写るぬいぐるみたちはみんな、やわらかな表情をしています。
     新しいものが次々と生まれていく世の中で、ずっと昔から、変わらず誰かを支え続けている存在がいるということ。この本を手に取ったあなたが、旧友との懐かしい日々を胸に浮かべる、そんなきっかけになりますように。
    文喫 福岡天神
     40

    『破獄』

    吉村 昭/著 岩波書店 1983

     罪人を護送中、汽車の中で手錠をされていたのを、いつの間にか外すところから始まって、監獄に収監され獄中から驚異的な方法で毎回脱獄を繰返すという実話の本です。
     北の地北海道で繰り広げられた追う側追われる側の駆け引き。
     最後まで一気に読める一冊です。
    本のこんどう(近藤書店)
     41

    『古くてあたらしい仕事』

    島田 潤一郎/著 新潮社 2019

     ひとり出版社・夏葉社をはじめて10周年を迎えた島田潤一郎さんによるエッセイ。仕事への想い、本を作る過程やまつわるエピソードまで、誠実な人柄が伝わってきます。出版業界に興味がある人はもちろん、本が好きな人、仕事のあり方に悩んでいる人などにもおすすめです。 本屋くるり
     42

    『ちいさな言葉』

    俵 万智/著 岩波書店 2010

     「サラダ記念日」でお馴染みの俵万智さん。息子さんが幼かった頃、言葉を獲得していく様子を書き留めた一冊。ありありと様子が目に浮かぶ表現力はさすがです。微笑ましい内容にほっこり。子育ての渦中にいる人や子育てが終わって久しい人に特におすすめです。 本屋くるり
     43

    『感動』

    齋藤 陽道/[撮影] 赤々舎  2011

     社会生活の中で数の理論は確実に存在をする。
     多数をしめているというだけなのに、少数を排除したり差別したりする。
     ただそれはあくまで数が多いというだけで優位にたっているだけだというのにだ。

     わたしは問いかけをしながら写真を見るのが好きだ。問うということは気づきをくれると思っている。齋藤陽道の写真を問いかけをしながら写真集を開き、そして写真を読んで欲しい。

     ただ『少数であるということ』が在るという事実。その問いかけに対するあなたの気づきを見つけて欲しいと願っている。

    LIBRIS KOBACO
     44

    『針の落ちる音 Hear a pin drop』

    林 詩硯/[撮影] 赤々舎 2024

     台湾出身の写真家・林詩硯の写真集。
     『読み始める最初に持った写真集の重さの感覚』と『読み終わった後の重さの感覚』が全く違うことに自分自身で気付きとても驚く。
    読み終えた後、写真集『針の落ちる音』は、私の手の中でずしりと重くなっていた…。

     他者の痛みを感じることは難しい。
     だが『針の落ちる音』には、いつも当たり前に見ている日常の風景や些細な出来事を思い出すことのできる写真が合間合間に差し入ることで、彼女達の痛み、そして他者の痛みをより感じることができる写真集のような気がしている。

    LIBRIS KOBACO
     45

    『字』

    富澤大輔 南方書局 2022

     富澤大輔がモノクロフィルムで撮り下ろした数千枚の写真の中から、デザイナーの浅田農と共に1年をかけて作り上げた写真集。
     「字」という変わったタイトルからは想像もつかないのですが、日本各地のどこにでもあってどこでもない風景を、富澤ならではの目線で見ることができます。目の前の風景や事柄ばかりに目が行きがちな写真表現を、写真とはこうあるべきという枠組みを越えた作家独自の視点で再解釈されていて、読み解くために何度も読み返したくなる1冊です。このとらえどころのない感覚の答えを、今後の作品で見つけることができたらと楽しみにしています。
    LIBRIS KOBACO
     46

    『絶滅してない! ぼくがまぼろしの動物を探す理由』

    宗像 充/著 旬報社 2022

     ニホンオオカミ、ニホンカワウソ、九州のツキノワグマ...
     絶滅したとされている動物たちですが、今でも時折それらしき動物が目撃されています。
     絶滅とは何か? 探してないだけではないか?
     行政や学者の姿勢に疑問を呈しつつ、全国の目撃現場を訪ね歩いたノンフィクション。
     読んだ後には本気で絶滅動物を探しに行きたくなるロマン溢れる一冊です。

    LUMO BOOKS
     47

    『漂流』

    吉村 昭/著 新潮社 1980

     江戸時代、米の運搬中に遭難し、絶海の孤島・鳥島で13年間を生き抜き帰還した「無人島長平」と呼ばれた実在の人物をモデルにした小説。
     臨場感あふれる描写で、ドキドキハラハラ。一気に読んでしまいます。

    LUMO BOOKS
    48

    『三国志を歩く中国を知る』

    坂本 信博/著 西日本新聞社 2024

     三国志好きの新聞記者が、ゆかりの史跡・名勝をめぐる聖地巡礼的な面もありつつ、緊張の走る国境地帯や、新疆ウイグル自治区などのディープなルポタージュもあり、とても読み応えがあります。
     三国志を通して、現代中国の姿が見えてくる。
     平易な文章で、わかりやすいので、三国志を知らない人も楽しめます。

    LUMO BOOKS

 

ふくおかの図書館のおすすめ本

 

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       著者等名及びタイトル  本の紹介文  図書館名
     1

    『シーサイドももち 海水浴と博覧会が開いた福岡市の未来』

    福岡市史編集委員会/編集 福岡市,梓書院(発売) 2022

     福岡市総合図書館は福岡市早良区にある「シーサイドももち」と呼ばれる地区に建っています。その福岡市総合図書館がおすすめする本は、『シーサイドももち―海水浴と博覧会が開いた福岡市の未来―』です。
     福岡市を象徴する風景といえば、「福岡タワーとドーム、そして海がひとつのフレームに収まった風景」ではないでしょうか?その風景は「シーサイドももち」にあります。この本は、「シーサイドももち」と百道の歴史を深くたどることができる構成になっていて、レファレンスにも大活躍!司書としてはうれしい限りです。古くは元寇防塁から始まり、海水浴場から博覧会まで、幅広いテーマを取り上げています。
     この本を編さんした福岡市史編さん室は、総合図書館の隣にある福岡市博物館内にあります。博物館ホームページの「福岡市博物館ブログ」では、【別冊シーサイドももち】を連載中。本には載らなかった蔵出し記事やこぼれ話を紹介しています。
    福岡市総合図書館
    2

    『えげつない!寄生生物』

    成田 聡子/著 新潮社 2020

    “「決して川には近づいたらいけない」
     その教えを僕はこれまでずっと守ってきた。”(p.5)

     こちらの文章は、ハリガネムシに寄生されてしまうカマキリの視点で綴られた
    物語の冒頭部分です。泳ぐことのできないカマキリがハリガネムシに操られて入水するまでを短い物語にしてあり、まるでホラー小説を読んでいるような恐怖を味わえます。宿主側視点のストーリーを先に読むつくりとなっている為、最初は「怖い」「可哀そう」と感情移入してしまうのですが、その後に続く寄生生物の驚くべき生態の解説文を読むと、寄生生物のしたたかな生存戦略に感嘆してしまいます。
     写真が無く、イラストやマンガを多用してあるため、実物を見たい方には物足りないかもしれませんが、そのぶん気軽に手に取りやすいのではないでしょうか。
     ハリガネムシの他にもゴキブリを奴隷化する宝石バチ、アリをゾンビにしてしまう寄生カビなど続々と登場し、そして最後に出てくる宿主はなんと!人間です。ゾクッとしませんか?

    大牟田市立図書館
     3

    『蜩ノ記』

    葉室 麟/著 祥伝社 2011

     久留米市ゆかりの時代小説作家葉室麟さんの直木賞受賞作品です。
     豊後(大分県)の羽根藩という架空の藩の武士戸田秋谷は犯した罪により十年後に切腹を命じられていますが、その人となりは清廉潔白で誇り高く、切腹するような悪事に手を染めるとは思えない人物です。
     そんな戸田秋谷の生き方に焦点を当てながら、切腹に至った罪についての謎とそれにまつわる藩主の後継争いをめぐる陰謀を追うというミステリー的一面も持っています。
     主な語り手となる藩士檀野庄三郎の目を通して、切腹の日まで自分の役目に向き合い暮らす秋谷とその家族、百姓たちとの交流が描かれ、檀野自身も心境を変化させていきます。どのように死ぬかはどのように生きるかということ、正しいと思ったものを貫く生き方、揺るがない秋谷の姿に感心する一方で、自らを省み考えさせられる作品です。
    久留米市立中央図書館ほか分館
     4

    『地図と絵で見る飯塚地方誌』

    飯塚地方誌編纂委員会/編 元野木書店 1975

     明治10年創業の地元の本屋さん「元野木書店」から、飯塚を愛するたくさんの方の協力の元、1975年に刊行されました。宿場町から炭鉱の町、そして商業の中心地として発展してきた飯塚の歴史が、豊富な地図と写真で視覚的に読める歴史本です。
     昭和16年に開館した飯塚図書館についても掲載があります。郷土資料のため、貸出はできませんが、「地図と絵で見る飯塚地方誌 地図編」と併せて、飯塚市立飯塚図書館のおすすめ本として紹介させていただきます。

    飯塚市立飯塚図書館
     5

    『ながのばあちゃんの食術指南』

    長野 路代/著,佐藤 弘/著 西日本新聞社 2015

     著者の長野さんは飯塚市筑穂地区出身で、R7.10月現在も食品加工グループに所属し活躍されている御年94歳の元気いっぱいの名物おばあちゃんです。
     この本は、西日本新聞で2012年から9年半連載された食術指南書です。さまざまな食べ物をながのばあちゃんの知恵と工夫で美味しく変身させるといった技の数々を紹介しています。昔ながらのお漬物や郷土料理まで、懐かしさを感じるおふくろの味がこの1冊に詰まっています。ぜひ一度手に取っていただき筑穂地区のことを身近に感じて頂ければと思います。

    飯塚市立ちくほ図書館
     6

    『あーといってよあー』

    小野寺 悦子/ぶん,堀川 理万子/え 福音館書店 2015

     この絵本は一緒に「あー」の声を出していく参加型の絵本です。いろんな方向を向いて「あー」、口や胸をたたいて変化を付けた「あ~あ~あ~」。日常にあふれる喜怒哀楽の感情を乗せて「あー!」。同じ「あー」でもなんと違うこと…。声はからだの中から出てくる身近な音です。子どもだけでなく大人も一緒になって「声」の不思議を感じてみてください。
     『あーといってよあー』は、令和7年10月4日に開催した、当館が事務局を務める一大イベント「サイエンスモール in 飯塚 2025」の「理科読」のプログラム中で、子どもたちに最初に読み聞かせをした絵本です。今年のテーマは「おとをつくろう!おとであそぼう!」。この絵本を読み聞かせすると、演者や参加者が一緒に声を出すことで不思議な一体感が生まれ、最後まで笑顔の絶えない楽しいイベントになりました。

    飯塚市立庄内図書館
     7

    『野見山暁治 人はどこまでいけるか』

    野見山 暁治/[著],のこす言葉編集部/編・構成 平凡社 2018

     著者の野見山暁治さんは旧穂波町出身の洋画家です。
     野見山さんは1920年に炭鉱業を営む家に生まれました。この本では炭鉱が盛んだった子どもの頃の様子や美校へ入学するに至るまで、戦争やパリへ渡った時のことなどについて触れられています。
     一つ一つが親しみやすい文章で簡潔に書かれた伝記となっていて大変読みやすい本になっています。
     野見山さんは洋画家としての活動だけでなく、様々な著書も出されていますのでぜひ手に取ってみてください。
    飯塚市立穂波図書館
     8

    「めくって学べるしくみ図鑑シリーズ」 ※シリーズものの図鑑です

    学研プラス 2018-

     頴田図書館がおススメする「めくって学べるしくみ図鑑シリーズ」は、あるボランティアさんの一言がきっかけとなり自館で揃え始めたシリーズ本です。それは、「子ども達のいる職場で働いているが、この本は子ども達にとても人気がある」と言うものでした。
     この「めくって学べるしくみ図鑑」はたくさんのめくるしかけがあり、まるでクイズの答えを探すかのように、楽しみながらその「しくみ」を学ぶことができます。イラストはわかりやすくするために一部をデフォルメして描かれているものがあり、実際の写真を掲載しているものがあるなど、シリーズの一冊ごとに工夫が凝らされていて大人も楽しめる図鑑となっています。
     子ども達にとっては、ページをめくる楽しみとしかけの小窓を開けるワクワク感、何かを発見するドキドキ感など、一冊の本に込められたたくさんの秘密を体験できる楽しい図鑑シリーズです。
    飯塚市立頴田図書館
     9

    『希望が死んだ夜に』

    天祢 涼/著 文藝春秋 2017

     著者 天祢涼氏の「仲田シリーズ」は現在第4弾まで刊行されています。
     どれも貧困、虐待、コロナ感染など時事問題に大きく切り込んだ作品が多く、
     その中でも、第1弾の「希望が死んだ夜に」をオススメします。
     多摩警察署生活安全課少年係の巡査部長仲田蛍が、川崎市で起きた「女子中学生殺人事件」に異例の抜擢で捜査に加わる。独特な捜査方法で事件の裏に隠された格差社会における少女たちの心の叫びと衝撃的な真実に辿り着く。
     読み終えた後、思春期の子を育てる一人の親として心が苦しくなり、とても子どもを抱きしめたくなりました。
     ほぼ毎週土曜日に更新される著者のSNSもオススメです。
    田川市立図書館
     10

    『Love Letter 私への手紙』

    くすのき しげのり/作,松本 春野/絵 瑞雲舎 2024

     この本はH30年から開催している「図書館で認知症かふぇ」内でR6年12月に紹介した絵本です。
     当館の「認知症かふぇ」のコンセプトとして、認知症は病気ではなく症状としてとらえ、認知症になっても安心安全に暮らせる地域づくりの一助に図書館が役に立てるのではと始めました。R7年12月現在39回目を迎える根強い支持のある講座です。
     「Love Letter」は参加者皆さんにとても好評でした。おじいさんとおばあさんが、
     アルバムをめくりながら過去のラブレターを思い出す素敵なストーリーです。
     また、今年度の子どもの読書週間で開催した「あなたが選ぶ絵本大賞㏌ちくご」において松本春野さんがイラストを担当された「バスが来ましたよ」(文:由美村嬉々 アリス館)が大人絵本部門の候補作になり、一般投票で見事大賞を受賞し、R7年12月20日には講演会も開催しました♪
     筑後市立図書館の大切な記念すべき思い入れの強い1冊です。ぜひ読んでみてください!
    筑後市立図書館
     11

    『白仏』

    辻 仁成/著 文芸春秋 2000

     筑後川の最下流の有明海に接する河口の島、大川市大野島を舞台に明治から昭和を生きた著者の鉄砲屋と呼ばれた祖父をモデルに作られた物語です。

     主人公の稔は、島で唯一の刀鍛冶の家に生まれ、島の外へ目を向ける兄達と違い、幼いながら日本刀の製造工程を父から教わり手伝いをしていた。戦争を機に家業は鉄砲修理へ。
     軍人への憧れと失望、初恋、「死」を知る少年期。シベリア出征と結婚で「死」と「生」を感じる青年期。戦後の混乱で稔と、周辺の人々は激流に巻き込まれ「人は死んだらどこさん行くとやろ」という問いがより深まる晩年期。
     それぞれの時代の「死」が稔を白仏作りへと向かわせていく。

     著者は、なぜ祖父は白仏を作ったのかという疑問を、事実に即しながらも物語の枝葉の部分は創作として描きあげたそうです。
    登場人物の方言も見事に表現されていて、当時の大川の雰囲気を感じることができます。そして今も大野島の勝楽寺には白仏が鎮座しています。

    大川市立図書館
     12

    『歳月』

    茨木 のり子/著 花神社 2007

     ブックオカで知り、購入しました。
     茨木のり子さんの詩はとても好きで、本も何冊か持っていますが、この詩集は知りませんでした。
     「自分の感受性くらい」や「わたしが一番きれいだったとき」など、ハッとするような強いメッセージを豊かな表現で紡いでいる印象があり、かっこいいなぁと憧れていました。
     この「歳月」は、その印象で読むと違う作家だろうかと疑うほど、たおやかな愛の詩集です。
     旦那さんを亡くしてから紡いだ詩が収められており、茨木のり子さんが亡くなってから、甥の手によって発売されました。
     亡き旦那さんへの深い愛を、純粋に、濃厚に、美しく表現しています。
     健康診断の合間に読んだものですから、空腹や採血がこたえて、めまいがしてしまうほどでした。

    中間市民図書館
     13

    『天に星 地に花』

    帚木 蓬生/著 集英社 2014

     著者の帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)は小郡市出身の作家です。
     令和元年度には小郡市のふるさと文化大使に就任されました。
     『天に星 地に花』は、小郡市の偉人・高松凌雲の祖先をモデルとした小説で、主人公は医師高松凌水です。
     江戸時代、九州久留米藩での悪政と飢饉や百姓たちの一揆騒動などを、庄屋の次男坊「庄十郎(のちの高松凌水)」の目を通してつづられた時代小説で、名医と慕われる医師にまで成長していく様子が描かれています。

     舞台は小郡市、久留米市、うきは市で、小郡市の花立山、大霊石神社、霊鷲寺など、今でも実在する場所が出てきます。

     『天に星 地に花』は久留米藩領を舞台とした「久留米藩三部作」のうちの1作でもあります。
     他2作には、 筑後川の水利事業に挑んだ 五庄屋を描いた『水神』、大刀洗町の今村天主堂が建つまでの背景と潜伏キリシタンを描いた『守教』があります。ぜひ読んで、小郡市に足を運んでみてください。

    小郡市立図書館
     14

    『四つの小さなパン切れ』

    マグダ・オランデール=ラフォン/[著],高橋 啓/訳 みすず書房 2013

     戦争があるたびにどこかで取り沙汰される、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で起きたこと。今繰り広げられている戦争の中でも話題にのぼり、近年映画化された『関心領域』のテーマにもなったものでした。
     この本は政治的批判が目的ではなく「どう考えてどう生きたのか」という作者の記憶と経験を詩的な流れでぽつぽつと語るものです。その霧がかった文字の隙間から無機質な事実がぬっと手を掴み、絶望の世界へ連れていかれそうになります。
     けれども作者は強さ、つまり「自分で考え判断する力」をどこまでも捨てずに持ち続けた方でした。信仰する特定の宗教がない私でも、取りこぼされた人とパンの記憶から後年キリスト教へと向かう作者の在り方は分かる気がします。
     「証言し、伝えること」にある子ども達へ向けた作者の言葉がとても心に沁み、食物に感謝してこの大切なパンを手渡していきたいと思いました。
    筑紫野市民図書館
     15

    『Kasuga 春日市民も知らない、春日』

    福岡県春日市 株式会社宣伝会議(発売) 2022

     「春日市民も知らない、春日」をコンセプトに、春日市の魅力を紹介する冊子です。
     春日市出身の歌手手嶌葵さんのスペシャルインタビューや、春日に米軍基地があった頃の話、地域のイチ押し飲食店など、ギュギュっと情報が詰まって読み応えも抜群。
     春日市ってどんな所?と尋ねられたら、一番に紹介する郷土資料です。
    春日市民図書館
     16

    『心も体ももっと、ととのう薬膳の食卓365日』

    川手 鮎子/著 自由国民社 2023

     図書館で気に入って書店で購入し、手元に置いて日々ページをめくる本のうちの1冊をご紹介します。季節の変わり目や体調のすぐれないときなど、生活を見直して毎日の食事に取り入れたい食材を探すときに活用している本です。
     本書は1年を通して毎日の日付ごとにその時期にあった食材や薬膳の基本的な考え方がカラーのイラスト付きで書かれており、眺めているだけでも季節の移ろいを感じられ、ゆったりとした気持ちになれます。内容の一部を抜粋すると、冬は腎が冷えるため、体を温める食材として生姜や紫蘇、香辛料やもち米、羊肉、エビなどをとると良いそう。少し先のページまで読むと、花粉症対策や春の忙しさ対策として気の巡りを大事にすることが書かれており、意識をしておくことでストレス緩和につながりそうです。
     同著者の他の著作には漢方養生に関するものもあり、併せて読むことで知識がより深まります。心身の健康を見直す機会にご一読ください。
    大野城まどかぴあ図書館
     17

    『線は、僕を描く』

    砥上 裕將/著 講談社 2019

     砥上さんは、福岡県出身の水墨画家・作家です。デビュー作の小説『線は、僕を描く』で、第59回メフィスト賞、ブランチBOOK大賞2019を受賞。単行本の水墨画を砥上さん自身が描かれている点にも注目が集まり、漫画化や映画化もされて話題を呼びました。11月の宗像市読書月間講演会では、砥上さんの著作への想いや創作秘話、水墨画のライブパフォーマンスで参加者が魅了されました。
     高校生の時に突然の交通事故で両親を亡くし、自分を見失い無気力な日々を送る大学1年生の青山くんが、展覧会設営バイトで水墨画の巨匠に出会い、次第に水墨画の世界に惹かれ、自分の輪郭を取り戻していく物語です。水墨画が描かれる際の描写と人物の心の動きが重なり、静かで温かい筆致が秀逸です。また、真摯な言葉で綴られる文章から自然の美しさや青山くんの成長が胸にひしひしと伝わり、臨場感あふれる読書体験になること間違いなしの1冊です。
     続編『一線の湖』も見逃せません。
    宗像市民図書館中央館
     18

    『ほくとのみずくみ』

    平松 秋子/文,ほりうち ひろこ/絵,平井 正則/監修 梓書院 2019

     みなさんは、北斗七星を見たことがありますか?
     季節を問わず、北の空に見える北斗七星は水をくむ「ひしゃく」の形をしています。
     秋の夜半に空を観察すると、北斗七星が北極星と水平線の間を西から東にくぐります。その様子は、まるで天のひしゃくは水をくんでいるように見えるため、「北斗の水くみ」と呼ばれています。
     この自然現象が観察できるのは、北緯33度付近で、北に海や湖がある地域だけです。
     宗像市には、深田分館から車で5分程度の場所に「北斗の水くみ海浜公園」があります。市民の有志が、子どもたちの自然体験の一助となるよう、絵本『ほくとのみずくみ』を発行しました。
     絵本では、おばあちゃんが孫に、北極星のお母さんから天の神様にお供えする海の水をくんでくるお使いを頼まれた七つ星の子どもたちのお話を語ります。
     みなさんもこの絵本を読んで、夜空に北斗七星を探してみてください。
    宗像市民図書館深田分館
     19

    その<男らしさ>はどこからきたの? 

    広告で読み解く「デキる男」の現在地 小林 美香/著 朝日新聞出版 2025

    #クリニック広告ドヤ顔院長選手権
     美容皮膚科や矯正歯科の広告、白衣の院長がやたら腕組みしてドヤってる?
    #背景高層ビルおじさん
     不動産広告のスーツのおじさん、背景に高層ビル背負いがち?
    #大谷翔平崇拝
     コスメデコルテの広告の大谷翔平、なんだか仏様っぽライティングで神々しい?
    広告に出てくるこんな男性、気になりませんか?
    スーツ/大股/集団/腹筋…CMやポスターに刷り込まれた「理想の男」のイメージは
    どこからきて、どんな影響を与えてきたのか。
    今まで意識していなかった広告の問題点をあぶりだす良書です。

    宗像市民図書館 須恵分館
     20

    『おかあさんがおかあさんになった日』

    長野 ヒデ子/さく 童心社 2015

     「あなたの生まれた日は、おかあさんがおかあさんになった日」

     おかあさんがおかあさんになる前、そしておかあさんになった瞬間。
     その時どんなことを思ってどんな時間を過ごしていたのでしょうか。

     きっと、おはなしと読者それぞれの経験が結びつき、懐かしくなったりこれからの未来にワクワクしたり、自分に対しても愛おしい気持ちが生まれる一冊です。

     大切な日や日常に、1人でじっくり、家族で思い出を交えながら、ぜひ読んでみてください。

     シリーズには「おとうさんがおとうさんになった日」、「おばあちゃんがおばあちゃんになった日」もあります。

    宗像市民図書館 久原分室 えほんのへや
     21

    『伝染病に挑んだ人々 予防接種秋月物語』

    隈部 敏明/文,梶原 明彦/絵,朝倉市秋月博
    物館/監修" 「予防接種は秋月藩から始まった」キャンペーン推進協議会 2022

     2月14日はバレンタインデーで有名ですが、日本で初めて予防接種が成功した「予防接種記念日」でもあります。
     世界中でたびたび流行し、多くの死者を出した「天然痘」。江戸時代に秋月でその「天然痘」に果敢に挑み、感染する前に「予防する」ことを実証し、日本の感染症対策に多大な影響を及ぼした秋月藩医・緒方春朔と彼を支えた二人の賢人について紹介された絵本です。日本の医療が病気の予防へと一歩踏み出した瞬間が朝倉市秋月という場所であったことを知ることができる一冊です。
    朝倉市図書館
     22

    『ソイ・ストーリー まんが家はタイの小路をゆく 1 soi story』

    小林 眞理子/著 KADOKAWA 2024

     福岡からひとっ飛び(飛行機で約5時間半)の国タイ。諸外国では「中国人と韓国人と日本人は見分けられない」という話を耳にしますが、なんと、タイの人はちゃんと見分けられるとか・・・。確かにタイ訪問中、日本語で話しかけられることがしばしば。よく言われることですが、それだけ親日家の人が多い国ということでしょうか。
     見るべきもの、美味しい食べ物、そして優しく接して下さる現地の人々。タイは魅力にあふれる国です。バンコクを訪れると、そのメガシティぶりに驚きますが、ちょっと足を延ばすと、現地の人しか行かないお店や、歴史が感じられる風情がいたるところに存在しています。実際に行かないと体験できない自然体のタイに巡り合わせてくれるのが、この本です。
     『ソイ・ストーリー』で行った気になるもよし、「絶対タイに行くぞ」とのモチベーションにするもよし。微笑みとマイペンライの国を存分に堪能してください。

    糸島市立図書館
     23

    『きみが校長をやればいい 1年で国公立大合格者を0人→20人にした定員割れ私立女子商業
    高校の挑戦』

    柴山 翔太/著 日本能率協会マネジメントセンター 2023

     福岡市の南に隣接し、ベッドタウンと言われている那珂川市には、高校が1校あります。それが「福岡女子商業高等学校」です。以前は市立の学校でしたが、2017年に私立へ移管。この本は、福岡女子商業高等学校の現校長を務める柴山翔太さん本人が、これまで取り組んできた学校改革や校長の職に就いた時の話を、とてもリアルに書いています。高校生の就職や進学など将来に関する情報量の少なさ、生徒の「どうせ私は…」という自信の無さについて真摯に向き合い、「できること」から「やりたいこと」へ生徒の意識が変化しチャレンジしていく姿や、教育への強い想いにも感動します。
     福岡女子商業高等学校へ着任して1年目に「きみが校長をやればいい」と言われ、「挑戦を、楽しめ。」をスローガンに奮闘されてきた柴山さんのお話は、教育関係者のみならず、全ての大人へ、そしてぜひ中高生にも読んでみてほしい1冊です。

    那珂川市図書館
     24

    「幽霊と探偵」シリーズ

    山口 幸三郎/[著] KADOKAWA 2022-

     宇美町ご出身の山口幸三郎先生の最新作をご紹介します。
     山口幸三郎先生は「探偵・日暮旅人」シリーズ(既刊10巻)が、松坂桃李さん主演で2015年11月スペシャルドラマ化、好評につき2017年1月から3月まで連続ドラマ化されました。 
     宇美町立図書館の10周年記念事業では「山口幸三郎と語ろう」と題し「探偵・日暮旅人の帰還」 とした講演と町内中学生との対談を行い、愛読者の生徒より熱烈な感想や質問が投げかけられ、丁寧に答えておられる様子が印象的でした。
     当館内に山口先生のすべての著書と講演後に寄贈いただいた本で構成した「山口幸三郎文庫」を設置しています。
     山口幸三郎先生の最新シリーズが、今回ご紹介する「幽霊と探偵」 シリーズ(現在2巻までメディアワークス文庫より出版)です。元刑事の心優しい幽霊と元刑事の苦労性の探偵の心温まる謎解きミステリー作品で、2巻では幽霊である人香(ひとか)の失踪の真相が明らかに!?

    宇美町立図書館
     25

    『篠栗四国八十八カ所霊場 公式ガイドブック』

    篠栗霊場会法青会/企画・編纂 篠栗霊場会法青会 2023

     篠栗町にある南蔵院を一番札所とする篠栗四国八十八カ所霊場を紹介する本です。篠栗霊場の若い僧侶の会である篠栗霊場法青会のみなさんを中心に編纂・発行されました。所在地の移転や近隣の店舗など従来のガイド本から情報が新しくなっており、篠栗霊場に詳しい方々ならではの視点で書かれた紹介文は読むと実際に行って見てみたくなります。また、写真も多く、巻末付録には用語集・参拝図・宿泊施設案内・寺院の月ごとの行事一覧が載っています。この本を読んでから参拝するとより充実しそうです。 篠栗町立図書館
    26

    『ホスピスさよならのスマイル』

    五味 宏基/写真,岩本 宣明/編 弦書房 2008

     志免町にある栄光病院、西日本初のホスピスに入院した末期がんの徳永栄士さん。
     最期を迎えるまでの日々の記録が写真とともに記されています。

     家族や医療従事者、子どもたちとの関わりの中にある小さな喜び。
     徳永さんの生きる姿から、ホスピスは死ぬまでの居場所ではなくその時が来るまで生きる場所だと分かります。

     どう生きるのか、深い問いに向き合える一冊です。

    志免町立町民図書館
     27

    『フリースタイル言語学 Freestyle Linguistics』

    川原 繁人/著 大和書房 2022

     言語学者の著者が、家族との日常、研究のエピソードなどを元に書いた、言語的思考をしていく科学エッセイです。学問についてのエッセイとは思えないほどコミカルな一冊です。
     例えば、メイド喫茶のメイドさんの名前から「名前が性格の印象に与える影響」という研究へと話がつながっていきます。ア行(母音)やナ行・マ行・ヤ行・ラ行・ワ行の子音を含む音を「共鳴音」、カ行・サ行・タ行・ハ行・パ行などを「阻害音」と呼びます。共鳴音が含まれる名前のメイドさんは萌えタイプ=女性的な印象の人、阻害音が含まれる名前のメイドさんはツンタイプ=男性的な印象の人という傾向があるそうです。
     他にも、日本語ラップやポケモンの名前の話題から言語学がどのように役に立つかなど、言語の面白さを感じる話題が豊富です。
    水巻町図書館
     28

    『エルマーのぼうけん』

    ルース・スタイルス・ガネット/著,渡辺 茂男/訳 福音館書店 1966

     『エルマーのぼうけん』は、1948年にアメリカで出版、1963年には日本語版が刊行され、今なお読み継がれている世界的ベストセラーです。
     ある晩、エルマーは年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に囚われているかわいそうなりゅうの子どもの話を聞きます。エルマーはリュックサックにチューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー、わごむやヘアブラシなどをつめて、りゅうを救う冒険の旅へ。どうぶつ島では、恐ろしい動物たちに次々と出くわしてしまい⋯。さて、エルマーはりゅうを助け出すことができるのでしょうか?
     リュックサックの中身を使って、知恵と勇気で困難を乗り越えていくエルマー。いつの間にか、ページをめくる私たちのことも冒険へ連れて行ってくれます。
     続く『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』もぜひ一緒に楽しんでください。

    岡垣サンリーアイ図書館
     29

    『小泉八雲の怪談 スラよみ!現代語訳』

    小泉 八雲/作,松尾 清貴/訳 理論社 2025

     『小泉八雲の怪談(スラよみ!現代語訳)』は、日本の伝説や民話を独自の感性で描いた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談を、現代の中高生にも読みやすく訳した作品です。翻訳を手がけた松尾清貴氏は、福岡県桂川町の出身で、作家としても活躍中。原文の雰囲気を残しつつ、現代の読者が親しみやすい表現で再構成された本書は、古き良き日本の怪談の魅力を再発見させてくれます。怖いだけでなく、人間の哀しみや情も描かれた物語の数々は、時代を超えて心に響きます。地元ゆかりの作家が手がけた一冊として、ぜひ手に取ってみてください。

    桂川町立図書館
     30

    『涙の箱』

    ハン ガン/作,きむ ふな/訳 評論社 2025

     ある村に暮らす特別な涙をもつ「涙つぼ」と呼ばれる子どもは、涙を売る黒い服の男と「青い明け方の鳥」に出会い、一緒に旅立った。ノーベル文学賞受賞作家によって綴られた心が温まる不思議な物語。

    大刀洗町立図書館
     31

    『TRUE Colors YA!ジェンダーフリーアンソロジー』

    小林 深雪/[著],にかいどう 青/[
    著],長谷川 まりる/[著],如月 かずさ/[著],水野 瑠見/[著],菅野 雪虫/[著],鎌
    谷 悠希/画・漫画" 講談社 2023

     この本は、自分と向き合える本だと思います。気になったらぜひ読んでみてください。

     男なのにかわいいものが好き
     女なのに男っぽい服装

     すてきだと思います。

     自分が思う自分になろうと努力していることはすてきなことです。
     好きな服をきて、好きなことをしましょ!

    (中学生 ハチさんの紹介)

    大木町図書・情報センター
     32

    『うろおぼえ一家のおかいもの』

    出口 かずみ/作 理論社 2021

     あひるの一家は、そろいもそろって、うろおぼえです。何をするために早起きしたのか、何を買いにいくのかすぐ忘れてしまいます。
    何か四角いものだった気がするけど、うろおぼえで…。
     当館職員の間で話題沸騰、広報誌にて紹介しています。忙しい日々の中でつい、タイパやコスパばかり、気にしてしまうけれど、忘れても、間違っても、また次につなげればいいと思わせてくれます。“うろおぼえ一家“の愛らしいうっかり具合に身も心も休まる一冊です。 
     シリーズ本で現在4冊あります。
    広川町立図書館
     33

    『三発目の”原爆” 二又トンネル爆発体験』

    佐々木 盛弘||文と絵 福岡県人権研究所 2010

     昭和20年11月12日、添田町落合の二又トンネルにあった日本陸軍の火薬庫を米軍が爆破処理しようとしたが、残留火薬量を間違え山が二つに裂けるほどの大爆発を起こし、死者147名、負傷者149名を出す大惨事となった。
     当時、小学校5年生であった著者の佐々木盛弘さんは、この爆発で父と姉を亡くし、自らも重傷を負った。
     爆発から50年を経て、著者が当時を回想しながら、目撃した惨状と自分をかばって亡くなった父親との愛情に満ちた最期の瞬間を子どもの目線で描く。
     著者は、本書の中で「書けなかったのは、あの地獄を思い出したくないこと。あの地獄の中の自分のことならともかく、周りの人のことを文字や絵にすることは、私にとっては、この上なくつらいこと。そして、脳裏に刻まれている重層の惨事を表現することは、私の力では、難し過ぎること。しかし、口先だけで平和を唱える人間にならないためにも、書かねばと思うようになりました」と述べている。
    添田町立図書館
     34

    『こんとあき』

    林 明子/さく 福音館書店 1989

     あきとあきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみ「こん」のおはなし。
     ロングセラーの絵本ですが、いつ読んでもじんわり泣けてきます。
     あきが生まれときからそばにいる「こん」。とうとう「こん」の腕がほころびてしまい、「こん」の腕を直してもらうために、ふたりは一緒におばあちゃんの家を目指します。
     ようやくおばあちゃんの住む駅に降り立ちますが、途中「さきゅう」に寄り道してします。
     はじめて、「さきゅう」をみた2人の後ろ姿がとてもよいのです。「さきゅう」の広さにも圧巻。
     道中、大変なことに遭遇する「こん」ですが、あきの勇気ある行動で助けられます。
     やっと、おばあちゃん家に着いた、あきと「こん」。そしておばあちゃんは、「こん」の腕を治せるのでしょうか。
     かけがえのない存在であるあきと「こん」の冒険ものがたり。
     キーワードは「だいじょうぶ、だいじょうぶ」。ほろりときます!
    苅田町立図書館
     35

    吉田兄弟物語 吉田増蔵・吉田健作,マンガふるさとの偉人 』

    みやこ町マンガ製作活用検
    討委員会/編著・協力,もちなが しのぶ/マンガ,向山 廉平/マンガ,井上 信隆/原作" みやこ町 2023

     この本はみやこ町の歴史、偉人の功績をわかりやすく読んでもらうために、みやこ町が制作・発行したものです。
    マンガであるため、中高生などでも気軽に手にとってもらえると思います。
     題材になっている吉田兄弟はみやこ町出身の人物です。どちらも明治時代に活躍していますが、兄の健作は日本の近代化のためには、製麻業の発展が必要だと考え、フランスに渡り製麻業を学びます。帰国後、日本各地に大規模な工場を作り、日本の製麻業の発展に寄与しました。一方、弟の増蔵は元号「昭和」を考案し、現在の上皇陛下の称号や名前の策定、天皇の勅語や総理大臣の寿詞など重要な人物が発する言葉の起草を行いました。
     本の制作はみやこ町歴史民俗博物館の学芸員、絵の得意な職員という町職員コンビが携わっています。
     なお、一般販売はされていませんが、みやこ町電子図書館で、ログイン不要でどなたでも読むことができます。
    みやこ町図書館
     36

    『ことばの番人』

    高橋 秀実/著 集英社インターナショナル 2024

     読書は楽しいですね。樹液を吸うカブトムシのように知識を貪るのも楽しいし、心の沼にドボンドボンと感動や教訓、哲学を投げ込んでいくのもまた楽しいです。

     読書の楽しみは、文章から意味を読み取るためのルールによって支えられています。そんなことばのルールを司り、出版物として世に放たれる前に調整を行ってくれるのが、ことばの番人(校正者)です。

     うっかりルール違反してしまった文章は、その価値を失ってしまう場合があります。句点の位置や助詞の用い方ひとつで、文章の意味は変化します。例えば医薬品の説明書は、一字間違っていただけで人の命にかかわります。校正者はそれらを正すのです。

     この本は、様々な校正者へのインタビューも交えながら、校正という作業のもつ創造性と文章を読むという営みの不思議に迫ります。記号の認識と解釈、今まさに行っている行為について目の前の本から問われるので、なんだかへんな気持ちになってしまいますが…。

     テンポよく読めて知的な気分に浸れる一冊です。

    福岡県立図書館