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令和元年9月「一致協力!」の本

投稿日時: 2019/08/30 cadmin
ニャン銃士
左からダルタニャン、アラニャン、ポルニャン、アニャンの“ニャン銃士”

 9月20日、いよいよラグビーワールドカップ日本大会が開幕! 9月26日、10月2日、同12日には福岡市内での試合も予定されています。

 ラグビーと言えば、「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE / ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」の心意気。
 そこで今月は「一致協力!」をテーマに本を紹介します。

ゴーフォワード!

 大学まで青春をかけたラグビーを辞め、サラリーマンになることを決意した酒田公男。だが何と就活に失敗! 
 急場をしのぐため、酒田はしかたなく櫻木学院高校の講師になった。そんな彼に、「お嬢様」理事長・美日子(みかこ)から至上命令が下る。
「ラグビー部をつくれ!」
 酒田はさっそく部員の勧誘を始めるも、いわゆる「脳筋」な不器用さ・厳つさゆえに応募はゼロ。頭を抱える酒田。だが、そこに元サッカー部の秀才、3年生の司馬が入部すると言い出して……
 チャラ(モテ男)、ゴエモン(毒舌)、浪岡(武闘派)、プー(気弱)ら個性派の面々が、それぞれ自分を、過去を乗り越えて一つのチームとして強くなっていく。
「ラグビーはタックルなんだ。体を張る人間が、タックルできるヤツが一番えらいんだ」


『ゴーフォワード!』と一緒にこちらもどうぞ。ほぼ全ページイラスト入りで、ラグビーのルールがよくわかります。

ラグビー観戦メソッド


 続いてこちらは女子たちの「一致協力!」 

明治ガールズ

 明治時代初期。殖産興業・富国強兵を進めねば欧米列強に飲み込まれてしまう、そんな時代。
 フランス人技師の指導のもとに作られた富岡製糸場は、高品質の絹糸を生産する工場であり、先端技術を身につけるための学校でもあった。
 かつて中級武士であった横田家の次女、英(えい)は悩んでいた。縁談が来たのだ。親が決めた人と結婚する。
 だが、「今は、まだ、困る」
 使用人の幸次郎。彼を想う気持ちがあるから。
 答えを出せぬまま、英が選んだ道は富岡製糸場の工女となることだった。
 15人の仲間と共に技術を学び、故郷・松代を先進的な製糸の町にする!
「共通の敵に向かう時、女同士ほど心強い味方はいない。呼吸を合わせるように気持ちを合わせることができるからだ」


 主人公の英は実在の人物で、その日記はインターネット上で読めます。

(最終確認 令和元年8月29日)


 ここまでは人と人との「一致協力!」のお話でしたが、実のところ「一致協力!」は一人ひとりの体の中でも起こっています。

人体キャラクター図鑑

「筋肉兄さん」「脳先生」「リンパ管・リンパ節姉妹」「肝臓さん」など、私たちの体の器官をゆる~くキャラクター化! それぞれの役割をガイコツ博士がわかりやすく紹介します。
「満腹時の胃の大きさは空腹時の約3倍!」「くしゃみやせきが飛び散るスピードは新幹線並み!」といったトリビアも満載!
 私たちを元気に生かしてくれている器官たちの「一致協力!」を感じられる1冊です。


 器官たちの「一致協力!」が乱れると、私たちは元気を失います。
 時には、重い病気になってしまうことも……

御徒町カグヤナイツ

 カッコいいものが大好きな14歳の中学生、つまりは無敵の4人組。
 少々「アウトロー」なヒロト、ケイゴ、ソン、カトウの4人は「月の姫」ノゾミの下に騎士団を結成した。
 ノゾミは自称「月の民の王女」にして、難病「月帰還性症候群(自称)」をわずらい、大学病院に入院中だ。
 彼女を月に帰しはしない! ザ・ブルーハーツの楽曲をBGMに彼らの冒険が走り出す。
「僕はすぐさま、みんなで決めた最終決戦用装備の学ランに着替える。学校なんて好きじゃない。だけど僕たちが一番強くなれる格好は、間違いなくこれだ。」

 実はこの本、図書館で借りなくてもWeb上で読めます。

『御徒町カグヤナイツ』作者 浅原ナオト/ドラゴンブック編集部(カクヨム)
(最終確認 令和元年8月29日)


「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE / ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」、これには親しい友人や心の通じる仲間が必要というわけではありません。友達が少なくても、孤独を感じることが多くても、「一致協力!」で何かを成し遂げる喜びは得られます。

ふたりの文化祭

 タイトルどおり、この本には2人の主人公がいます。1人はさわやかイケメン、九條潤。周囲の期待に応えて器用に何でもこなすが、自分の気持ちには鈍感な高1男子。
 もう1人は眼鏡におさげの地味な女子、八王子あや。本と物語をこよなく愛し、友達づきあいは苦手、一致団結とかクラス一丸となってとかいう言葉は大嫌い。
 文化祭でのクラスの出し物が「目隠し怪談朗読会」になったことから、二人は協力して準備を進めます。心が通じ合うことはあまりないまま……。けれど、そんな日々の中で二人はそれぞれ、自分が本当に求めていたものに気づき、それに向かって手を伸ばすのです。
「だって、私も一部だから。この文化祭の一部。」


 このほかにも仕事や暮らしの本を含めて「一致協力!」の本を幅広く集めてみましたので、どうぞ御利用ください。(仕事の本ではマネジメントやチーム作りの本を、暮らしの本では家族の「一致協力!」が必要な育児や家事、介護の本を中心に集めています。)
リストはこちらからどうぞ。「青少年と暮らしの交流室」にてお待ちしています。